2016年04月11日

昔話・伝説・神話・民話・おとぎ話・童話の違い

[2012.5〜>昔話のまわりをうろうろする]
2016.4.1のラジオ番組「小澤俊夫 昔話へのご招待」で、新年度ということで基本として、昔話・伝説・神話・民話・おとぎ話・童話の違いを小澤俊夫先生が説明してくださっていました。今まではっきり違いがわからず疑問だったことがやっと解決!しました。
せっかくなので、簡単にまとめてみました。

昔話
時代、場所、人物を不特定に語っている。架空の話。つまり「これから話すことは嘘の話だから信じないでくれよ」と宣言し、話し終わりに「ここまでが嘘の話でした」という意味の結末句をつける。

伝説
時代、場所、人物を特定して語っている。つまり「これから話すことは本当の話だから信じてくれよ」と。伝説は信じられることを欲している。

世界中の民族が、この二種類の話を持っている。

神話
神々が登場する話。それぞれの民族のもとはこうだったんだよ、という話。本当の話として伝えている。

民話
民話という言葉は戦後になって新しくできた言葉。神様が出てくる話が「神話」なのに対し、人間が出てくる話だから「民話」という名前になったらしい。
そして、「昔話=民話」ではない。昔話と民話は別のもの

1945年に終戦を迎え、戦後になると、昔話にたいしてこんな対応がされた。
■「そもそも日本の昔話は桃太郎のような侵略の話だ。侵略の話を聞いて育ったから日本は侵略国家になったのだ。」 → アメリカの文化人たちが言い出した
■「昔話は田舎の無学で無知蒙昧の人たちが伝えてきたもので、文学的レベルが低いから、もっとしっかりしたものにしなければいけない。」 → 文学者たちが手を加え、立派な話にした
この、後者のものが「民話」。そしていつの間にか、「昔話」と「民話」がごっちゃになってしまった。

「現代の昔話」はありえない。昔話は昔のことを語っている。伝承された話である。

けれど、「現代の民話」はありえる。
たとえば「原子爆弾で広島でこんな悲しいことがありました」ということを民衆の間で伝えれば、これは現代の民話になりうる。事実を含んだ民話がありえる。もちろん、創作もありえる。

本として発表するのではなく、なんとなく口伝えになる。週刊誌に載って、それが広がるとか。
口裂け女:あれは本当に口伝えなのかというのが研究者の間で問題になったが、もとは週刊誌か何かに載った話だったらしい。

作ったものが印刷されて広まり → 印刷を離れて → いつの間にか口伝えになる、というような。昔話ではないけど、民話にはなりうる。

昔話は、日本では400年前くらい(室町時代頃、御伽草子が流行った時代)にできた話がとても多い。8世紀頃のものもあり、古事記に出てくる話(蛇との結婚の話)が民衆のレベルにおりて昔話というふうに伝えられている。新しい物は江戸時代にできた話がたくさんある。

おとぎ話
これは話の種類ではなく性質。嘘の話、架空の話。(昔話は、おとぎ話の一種といえる)

童話
たいては創作を指す。
(広く、子供向けの話という意味に捉えれば、昔話に子供向けの話もあるのでそう言える話もある)

※「グリム童話」は、グリム兄弟が、昔話を収集し、少し手を加えたもの。純粋な昔話ではないが、創作童話でもない。昔話の性質を8割くらい持っている。

昔話は書かれて伝えられたものではなく、口伝えである。語り終わったら消えてしまう文芸。読み返しがきかない。ゆえに、シンプルでクリアに語られる。

参考URL:
2016.4.1 小澤俊夫 昔話へのご招待 『昔話とは 1 (伝説、神話などとの違い)』
2016.4.8 小澤俊夫 昔話へのご招待 『昔話とは 2 (昔話は残酷か?&昔話に込められたメッセージ)』


今まで、昔話と民話の違いが、いくら調べてもはっきりわからなかったのですが、はじめて納得できました。

「現代の民話」がもし、口伝えされ続けていって、数百年後にもまだ口伝えとして生きていたら、それは昔話と呼んでいいのかもしれないと思いました。私がお話を作り始めたときにはまさにこれを(遠い未来に昔話に混ざって伝えられているようなお話を作りたいと)思っていたのです。

ただそのときに、昔話にこだわるあまり、自分の作品を「小昔話」というようなシリーズ名をつけたので、のちにモヤモヤと悩むことになったのですね。
昔話や民話の言葉の意味をはっきりと知っていれば、あえてシリーズ名などつけなかったかもしれないと、今になって思います。そんなことにこだわらず、口伝えされてしまうような面白いお話を作ることだけ考えていればよかったのです。

とにかく、モヤモヤしていたものがひとつスッキリしました。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Kindleストアで販売中です